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わたしたちは、腎臓病の治療と予防に関わる専門性の高い医療関係者の教育、研究、助成を通じて腎臓病患者の支援を行うと共に、日々たゆまない活動を続けています。

慢性腎臓病患者の生活の質の向上と継続的ケアを

コスモス

現在では、慢性腎臓疾患の患者さんも腎代替療法等の充実により、以前に比べると長期生存が可能となりました。それでも、慢性腎臓病を患っている患者さんの普段の生活については、かならずしも質が向上しているとはいえません。

私たちは、このような患者さんたちにも、健常人と変わらない日常生活を送ってもらえるよう、現在の腎臓医療制度を更に向上させる支援をし、また腎不全などを未然に防止できるような啓蒙活動を通じて、慢性腎臓病患者の方たちのために貢献することができればと考えております。

公益財団法人石橋由紀子記念基金について

 本財団の冠名となっている石橋由紀子は、1978年、33歳の時に最初の腎移植を受けました。当時、腎移植はようやく世の中に知られ始めたばかりでした。”苦しい腎透析から解放され、健常者に近い行動が出来るようになったことは、決して忘れられるものではありません”と、いつも話しておりました。その後3回の腎移植を受け病魔と闘って来ましたが、2019年5月惜しまれつつ逝去いたしました。

 本財団は、そのような石橋由紀子の経験から、慢性腎炎、腎不全を中心とする腎疾患に関して、医療従事者と患者との「心のつながり」を一層深められるようにするということを世の中に発信したいと考えています。

 医師は、患者に「良き患者」になることを願っていると思います。患者は完治を期待できない腎不全と透析の宣告を受け、ただ受け身で専門家の指示に従うことを余儀なく思っています。そのような中で、時には自暴自棄になり、「何とかしてほしい」という要求のみを主張するに至ることがしばしばあると聞きます。このようなことでは、医療従事者と患者が共同して治療に当たることが難しくなり、両者の相互不信を生み出すこともあると思います。そうならないためには、医師のみならず、患者自身も自らの医療に対して主体性をもち、応分の責任を負う必要があります。

 本財団が応援したいと考えている対象の疾患は、慢性腎炎、腎不全、腎透析、腎移植等です。そのための「医療従事者と患者の心のつながり」を重視したいと考えています。

 我が国の透析に関わる医療費は、年間1兆7千億円に及んでいます。医師と患者の関係がさらに進み、患者が主体的に自らの医療に関わることにより、患者のQOL(Quality of Life)の向上、さらに我が国における腎臓疾患関係の経済的経費の抑制にも資すると考えています。

 本財団がこのような活動を通じて、ささやかなりとも社会に貢献できれば望外の喜びです。